給湯器を使っていると、「カタカタ」と聞き慣れない音がする。
昨日までは気にならなかったのに、急に聞こえるようになると、
「どこか壊れた?」
「このままお湯を使って大丈夫?」
と気になります。
給湯器は、点火や燃焼、ファンの回転など、内部の部品が動きながら運転しています。外装や配管へ振動が伝わって音が出ることもあるため、カタカタ音がしただけで故障とは決まりません。
まず見たいのは、音の名前よりも**「いつ鳴るのか」**です。
お湯を出した直後なのか。使っている間なのか。止めてから聞こえるのか。それとも給湯器を使っていないときにも鳴るのか。
この違いは、音の原因を考える手がかりになります。
ただし、焦げ臭い、ガス臭い、煙が出ているなど、音以外にも明らかな異常がある場合は話が別です。音源を探すより、給湯器の使用を止めて安全を確保してください。
この記事では、給湯器からカタカタ音がする主な原因、音が出るタイミングの見方、自分で確認できる範囲、点検を考えたい症状まで順番に解説します。
給湯器からカタカタ音がしてもすぐ故障とは限らない
給湯器から普段と違う音がすると、本体内部の故障を疑いたくなります。
ただ、「カタカタ」という聞こえ方だけで故障箇所までは分かりません。
給湯器内部で動いている部品から出ていることもあれば、配管や外装の振動、周辺にある物が触れて音を出していることもあります。
さらに、住宅では振動が配管や壁を伝わるため、音が聞こえる場所と実際に振動している場所がずれることもあります。
お湯はいつもどおり出ていて異臭や煙もないなら、すぐに本体を触るのではなく、後ほど紹介する「音が出るタイミング」と外から確認できる範囲を見ていきます。
焦げ臭い・ガス臭い・煙などがあれば使用を中止する
カタカタ音と一緒に、次のような症状が出ている場合は使用を続けないでください。
- 焦げたようなにおいがする
- ガスのようなにおいがする
- 煙が出ている
- 「ボン」など普段とは違う大きな着火音がする
- 給湯器が途中で止まる
- エラーが繰り返し表示される
焦げ臭さや煙まで出ている状態で、「カタカタ音はどこからだろう」と給湯器へ近づいたり、本体のカバーを開けたりするのは避けます。
特にガスのようなにおいがする場合は、ガス漏れを想定した対応が必要です。 火気を使わず、ガス臭がする場所では電気のスイッチもむやみに操作しません。
カタカタ音だけの場合と、異臭や煙を伴う場合は分けて考えます。
給湯器からカタカタ音がする主な原因
カタカタ音の発生場所は、給湯器の内部だけとは限りません。
内部で動く部品、配管、外装、給湯器の周りにある物など、いくつか候補があります。

ファンなど内部の動く部品から音が出ている
給湯器の内部では、運転中にさまざまな部品が動いています。
たとえばファンは、燃焼に必要な空気を取り込んだり、燃焼後の排気を外へ出したりするために使われます。
こうした運転中に動く部品の状態によって、普段とは違う音につながることがあります。
ただ、「カタカタ」という音だけを聞いて、ファンやモーターの故障と決めることはできません。
お湯を出すと音が始まり、止めると消えるのであれば、少なくとも給湯器の運転と音が連動していることは分かります。
どの部品から鳴っているのかは、本体を開けずに点検で確認します。
内部の部品や固定部分が振動している
給湯器が運転すると、内部ではファンなどが動き、その振動がほかの部分へ伝わります。
そのため、内部の部品や固定部分などが振動し、カタカタと聞こえている可能性もあります。
ここで、
「何か緩んでいるなら、ネジを締めれば直るのでは?」
と考えるかもしれません。
給湯器のカバーを外して内部のネジや部品を触るのは避けてください。
そもそも固定部分が原因とは限りませんし、音だけでは内部のどこが振動しているか分かりません。
配管の振動がカタカタ音として伝わっている
給湯器には、給水・給湯・ガスなどの配管が接続されています。
水の流れや給湯器の運転による振動が配管へ伝わり、周囲との接触部分などで「カタカタ」「コトコト」と聞こえることがあります。
この場合、給湯器本体から音が出ているように感じることもあります。
特に、
「給湯器の近くでも聞こえるけれど、室内の壁際でも聞こえる」
というような場合は、配管や建物側へ振動が伝わっている可能性も含めて見ます。
なお、蛇口を閉めた瞬間に「ドン」「ガン」と大きな衝撃音がする場合は、今回のカタカタ音とは少し話が変わります。 水の流れが急に止まることで配管に衝撃が生じる、ウォーターハンマー(水撃)と呼ばれる現象もあります。
このタイプの音は、カタカタ音とは分けて考えた方が原因を追いやすくなります。
外装や給湯器周辺の物が振動している
意外と確認しやすいのが、給湯器の外側です。
給湯器そのものではなく、近くにある物や接触している物が振動を受けてカタカタ鳴っていることがあります。
風が強い日だけ聞こえるなら、周辺にある軽い物などが動いていないかも見てみます。
安全な場所から、
「給湯器に何か触れていないか」
「近くで風に揺れている物はないか」
を見る程度なら、自分でも確認できます。
排気口の近くへ顔を寄せたり、本体の裏側へ無理に手を入れたりするところまでは確認しません。
カタカタ音が「いつ鳴るか」を確認する
カタカタ音がする場所だけでなく、どのタイミングで鳴るのかも見てみます。
お湯を出した直後だけなのか、使っている間ずっとなのか。蛇口を閉めたあとにも続くのか。
給湯器を使っていないのに聞こえるなら、また別の見方ができます。
焦げ臭さやガス臭、煙などがなく、普段どおり使用できている場合に、いつ音が出ているのかを確認します。
お湯を出した直後に鳴る
蛇口やシャワーからお湯を出すと、給湯器では点火やファンの運転などが始まります。
そのため、
「蛇口を開けるとカタカタ鳴り始める」
「お湯になったころには音が消える」
といった出方なら、給湯器が動き始めるタイミングと音が重なっています。
毎回ほぼ同じタイミングで鳴るのか、それとも時々なのか。
普段使っている中で分かる範囲を見ておきます。
運転中に鳴り続ける
シャワーを使っている間など、給湯器が運転しているあいだカタカタ音が続くこともあります。
運転を始めると音が出て、お湯を止めると静かになる。
この出方なら、給湯器の運転に伴って動く部品や、本体・配管へ伝わる振動などが候補になります。
「最初だけ」なのか「運転中ずっと」なのかは、似たカタカタ音でも違いがあります。
お湯を止めたあとに鳴る
蛇口を閉めたのに、しばらく給湯器から音が聞こえると、
「止めたのに、まだ動いている?」
と気になるかもしれません。
給湯器は、お湯を止めた瞬間に内部のすべての動作が終わるとは限りません。機種によっては、運転停止後もしばらくファンなどが動くことがあります。
数秒、数分といった時間だけで正常・異常を決めるのではなく、使っている機種の取扱説明書やメーカーの案内も確認します。
なお、蛇口を閉めた瞬間に「ドン」「ガン」と配管側から大きな音がする場合は、前述したウォーターハンマーの可能性もあり、カタカタ音とは分けて考えます。
給湯器を使っていないときにも鳴る
お湯を使っていないのにカタカタ音がするなら、給湯器以外の物が鳴っている可能性も含めて見ます。
風で周辺の物が動いている。外装付近で何かが振動している。別の場所で発生した音が壁や配管を通して聞こえている。
もう一つ、寒い時期なら給湯器の凍結予防機能もあります。
機種によっては、外気温が下がると凍結を防ぐためにヒーターやポンプなどが自動で作動します。リモコンをOFFにしていたり、お湯を使っていなかったりしても動作することがあります。
冬場に「誰もお湯を使っていないのに給湯器から音がする」という場合は、取扱説明書で凍結予防運転について確認してみてください。
音が以前より大きくなっていないか
タイミングとあわせて見たいのが、以前との違いです。
- 最近になってカタカタ音が聞こえるようになった
- 少しずつ音が大きくなっている
- 鳴っている時間が長くなった
- 室内まで音が聞こえるようになった
- カタカタ以外の音も混じるようになった
以前からある小さな作動音と、最近になって変化した音では見方が変わります。
「いつからか正確には覚えていない」という場合もあるでしょう。その場合は無理に時期を決めず、最近気になるようになったという事実を押さえておきます。
ワンポイント|カタカタ音は壁や配管を伝って聞こえることがある
給湯器の異音で迷いやすいのが、音が聞こえる場所と、実際に振動している場所が一致しないことがある点です。
給湯器の振動が配管へ伝わり、その配管が壁や建物の部材と接していれば、少し離れた場所で音が目立つことがあります。
室内の壁から「カタカタ」と聞こえるので壁の中が原因だと思っていたら、お湯を使ったときだけ鳴っていた、という見方もできます。
こんなときは音源を探して壁を叩いたり、配管を動かしたりするより、
お湯を使うと鳴るのか、止めるとどうなるのか
を見た方が状況を整理しやすくなります。

カタカタ音と一緒に出ていたら注意したい症状
ここまでは主に「カタカタ音そのもの」を見てきました。
次は給湯器の動きです。
音が出始めたころから、お湯の出方がおかしい。エラーが増えた。別の異音まで聞こえる。
こうした症状が重なっているなら、カタカタ音だけが出ている状態とは分けて見ます。
「ガタガタ」「ゴー」など別の異音もする
最初はカタカタ程度だったのに、最近は本体が振動するような「ガタガタ」という音もする。
あるいは「ゴー」「ブーン」など、以前には気にならなかった音が加わった。
音を正確に言葉で表現できなくても構いません。
見るのは、以前とは明らかに音の出方が変わったかです。
本体が目に見えて大きく振動している、運転するたびに大きな音がするといった状態なら、点検を検討します。
点火しにくい・途中でお湯が水になる
異音が出始めた時期に、
- お湯になるまで時間がかかる
- 一度で点火しない
- 使用中に突然水になる
- 給湯器が途中で止まる
- 点火と停止を繰り返す
といった変化がなかったかも振り返ります。
「音は気になるけど、お湯が出ているからまだ大丈夫かな」
と考えがちですが、給湯の状態まで変わっているなら、音だけの問題として長く様子を見るのは避けたいところです。
エラーコードが表示される
台所や浴室のリモコンにエラーコードが表示されているなら、番号を確認します。
安全に確認できる状態なら、メモするかスマートフォンで撮影しておくと後から確認しやすくなります。
エラーコードの意味はメーカーや機種によって違います。取扱説明書やメーカーの公式情報で、使用している機種の番号を確認してください。
すでに表示が消えている場合は、エラーを再現するためだけに給湯器を何度も動かすのは避けます。
焦げ臭い・ガス臭いにおいがする
カタカタ音と同じ時期に異臭まで出ている場合は、使用を続けて様子を見る段階ではありません。
焦げたようなにおいがするなら、給湯器を止めて点検を依頼します。
ガスのようなにおいがする場合は、ガス漏れを想定した安全対応を優先してください。
火気を使わず、ガス臭がする場所では電気のスイッチもむやみに操作しません。
音がどこから出ているのか調べるのも、いったん中止します。
煙が出ている
カタカタ音と一緒に煙のようなものが出ている場合も、使用を止めます。
寒い時期には、排気に含まれる水蒸気が白く見えることがあります。ただ、
- 黒っぽい煙が出ている
- 焦げ臭さもある
- これまで見なかった煙のようなものが出る
- 明らかに普段の排気と様子が違う
といった場合は、近づいて正体を確かめようとしないでください。
異臭や煙まで出ているなら、カタカタ音の原因を探すことより安全確保を優先します。
自分で確認できる範囲
カタカタ音だけで、焦げ臭さやガス臭、煙などが出ていないなら、外から見える範囲で確認できることがあります。
本体を分解して音源を探すのではなく、まずは給湯器の周りを見ます。
給湯器の周辺に振動している物がないか見る
給湯器そのものではなく、近くにある物が振動して「カタカタ」と鳴っていることがあります。
たとえば、
- 給湯器に触れている物
- 壁際に立てかけている物
- 風で動く軽い物
- 配管や外装付近に接触している物
などです。
特に「風が強い日だけ鳴る」「給湯器を使っていないのに鳴る」という場合は、周辺も見てみます。
給湯器の排気口付近は高温になることがあるため、運転中に手を近づけたり、裏側へ手を入れたりはしません。
外装に変形や接触がないか見る
次に、本体を外から見ます。
カバーが大きく変形していないか。何かが本体に触れていないか。風を受けたときだけ動いている部分がないか。
確認するのはその程度です。
「ここを押さえたら音が止まるかも」と運転中の本体をあちこち触るより、見える範囲で異常がなければ、その先は点検に回します。
音が出た状況を記録しておく
異音は、点検に来てもらったときに限って鳴らないことがあります。
安全に普段どおり使用できている状態で音が出たなら、スマートフォンで録音や動画を残しておくと役立ちます。
あわせて、
- お湯を出した直後に鳴った
- 運転中ずっと鳴っていた
- お湯を止めたあともしばらく続いた
- 給湯器を使っていないときにも聞こえた
- 風の強い日に目立った
など、気づいた状況を残しておきます。
ここでは「カタカタなのか、コトコトなのか」と音の名前を正確に決めることより、どんなときに音が出たのかの方が情報になります。
本体カバーを外して内部を確認しない
外から見ても原因が分からないと、
「中で部品が緩んでいるだけでは?」
と気になるかもしれません。
それでも、本体カバーを外して内部を確認するのは避けてください。
給湯器の内部には燃焼部分や電装部品、配線などがあります。ネジを締め直す、部品を押さえる、潤滑剤を使うといった対処も行いません。
カタカタ音の原因が内部にある場合は、点検で確認してもらいます。
カタカタ音はどこから点検を検討する?
一度だけ小さな音がして、その後は鳴っていない。
お湯も普通に使えていて、エラーや異臭もない。
こうした状態と、毎日のように音が続いている状態では、点検を考えるラインも変わります。
目安にしたいのは、次のような変化です。
- 最近になってカタカタ音が出始め、その後も続いている
- 以前より明らかに音が大きくなった
- 鳴っている時間が長くなった
- 「ガタガタ」「ゴー」など別の異音も出る
- 点火しにくい
- 使用中にお湯が水になる
- エラーコードが繰り返し表示される
前の章で確認した「以前との違い」が、ここで点検を考える材料になります。
特に、焦げ臭さ・ガス臭・煙を伴う場合は様子を見ながら使い続ける状態ではありません。 使用を中止し、症状に応じた対応を取ってください。
使用から10年前後なら経年劣化も含めて考える
給湯器を何年使っているかも確認しておきたいところです。
家庭用ガス給湯器では、メーカーが設計上の標準使用期間を10年としている製品があります。
そのため、使用開始から10年前後たっていて、最近になってカタカタ音が出始めたなら、経年による部品の劣化も含めて点検を考えます。
もちろん、10年たった瞬間に故障するわけではありません。
反対に、使用年数が短くても異音や給湯不良が続くなら点検対象になります。
「まだ何年目だから大丈夫」と年数だけで決めず、実際に出ている症状と合わせて見ます。
点検を依頼するときに伝えること
点検を依頼するときは、「給湯器からカタカタ音がする」と伝えるところからで構いません。
さらに分かっていることがあれば、次の情報も伝えます。
- いつ頃から音が気になり始めたか
- お湯を出した直後・運転中・停止後のどこで鳴るか
- 毎回鳴るのか、ときどきなのか
- 以前より音が大きくなったか
- 点火やお湯の出方に変化があるか
- エラーコードが出ているか
- 焦げ臭さやガス臭、煙はないか
- 給湯器のおおよその使用年数
- メーカー名や型番
- 録音や動画があれば、その記録
「カタカタ」「コトコト」「ガタガタ」のどれなのかを悩むより、
「シャワーを使っている間だけ鳴る」
「最近になって音が大きくなった」
と伝えた方が状況を説明しやすくなります。
型番が見えにくい場所にあるなら、無理な姿勢で銘板を確認することは避けてください。

修理と交換は点検結果と使用年数から判断する
点検で原因が分かったら、修理するのか、給湯器そのものを交換するのかを検討します。
確認したいのは修理金額だけではありません。
どの部品に異常があるのか。その部品を修理・交換すれば今回のカタカタ音は解消する見込みなのか。
ここは聞いておきたいところです。
そのうえで、
- 修理にかかる費用
- 給湯器の使用年数
- ほかの部品の劣化状況
- 部品を用意できるか
- 本体を交換した場合の費用
を比べます。
比較的新しい給湯器で、一部の部品を交換すれば済む場合もあります。
長く使用している給湯器で複数の不具合が見つかった場合は、一か所を修理して使い続けるか、本体を交換するかまで含めて考えることになります。
給湯器の使用年数ごとの考え方や、修理費と交換費を比較するときのポイントは、別記事の**「給湯器の修理・交換の目安は?使用年数と症状から判断するポイント」**で詳しく解説しています。
まとめ
給湯器からカタカタ音がしても、それだけですぐ故障とは決まりません。
まずはいつ鳴るのか、以前と比べて音が変わっていないか、給湯にも不調が出ていないかを確認します。周辺に振動している物がないかなど、外から見える範囲も確認できます。
本体カバーを外して内部まで調べるのは避けてください。
以前にはなかった音が続く、徐々に大きくなる、点火不良やエラーが出る場合は点検を検討します。焦げ臭さ・ガス臭・煙を伴う場合は使用を中止してください。


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