換気扇は動いているのに、以前より吸い込みが弱い。キッチンでは料理中の煙が残るようになり、浴室では湿気が抜けるまで時間がかかる――。このような変化があっても、換気扇本体が故障したとは限りません。
フィルターやグリルの汚れだけでなく、室内へ入ってくる空気が不足していたり、ダクトや屋外フードなど排気側で空気が流れにくくなっていたりしても、換気量は落ちます。
まずは室内から確認できるところを見ていきます。フィルターを掃除したあと、給気口の状態も確認し、それぞれで吸い込みが変わるかを比べると原因を絞りやすくなります。

換気扇の吸い込みが弱いときは、まず室内側を確認
フィルター・グリルに汚れがたまっていないか
浴室換気扇ならホコリ、レンジフードなら油を含んだ汚れがフィルターやグリルに付着します。汚れが増えて空気の通り道が狭くなれば、ファンが回っていても十分に吸い込めなくなることがあります。
まず運転を止め、取扱説明書で取り外し方や手入れ方法を確認したうえで、清掃できるフィルターやグリルの状態を見ます。
掃除したあとに運転して、以前より煙を吸うようになった、浴室の湿気が抜けやすくなったなどの変化があれば、吸込口側の汚れが影響していた可能性があります。
レンジフードに市販の後付けフィルターを使っている場合も確認します。製品によっては、フィルターを追加することで空気が通りにくくなり、排気性能へ影響することがあります。
「汚れないようにフィルターを付けているから大丈夫」とは限りません。換気扇やレンジフードの取扱説明書で、後付けフィルターの使用可否も確認してください。
Panasonicでは、レンジフードに市販のフィルターを重ねて使用すると、吸い込みが悪くなったり異音が発生したりする場合があるとして、使用しないよう案内しています。
参考: Panasonic「レンジフードに市販のフィルターをつけて使用してもいいですか」

給気口が閉まっていないか
フィルターを掃除しても変わらない場合、次に見たいのが空気の入口です。
換気扇が室内の空気を外へ排出するには、その分の空気が室内へ入ってくる必要があります。給気口を閉じていたり、家具やカーテンなどで塞いでいたりすると、ファンが正常に回っていても十分に排気できないことがあります。
住宅に給気口がある場合は、閉じたままになっていないか、ホコリなどで空気の通り道が塞がれていないか確認します。
浴室換気扇では、浴室そのものへの給気も必要です。ドア下部などに設けられたガラリや通気部分が汚れで塞がれていないかも見てください。
判断材料になるのは、給気を確保したときに吸い込み方が変わるかです。
給気口を適切な状態に戻したあと、換気扇の吸い込みが明らかに改善するなら、本体の故障よりも給気不足が影響していた可能性が高くなります。
給気を確保しても変わらなければ、次は排気経路を確認します。
レンジフードはエアコンや窓からの横風も確認する
料理中の煙を吸わなくなった場合は、レンジフードそのものの吸引力だけでは判断できません。
たとえば、エアコンの風がコンロ方向へ強く当たっていると、上昇した煙が横へ流され、レンジフードへ入る前に拡散することがあります。近くの窓から強く風が入っている場合も同様です。
この状態では、「レンジフードは回っているのに、煙を全然吸わない」ように見えます。
エアコンの風向きを変える、近くの窓から強い風が入っているなら一度閉めるなどして、煙の流れが変わるか確認します。
風の条件を変えたときだけ煙を捕集しやすくなるなら、排気能力そのものが落ちているとは限りません。
なお、これは主にレンジフードで煙を吸い込む場合の確認です。浴室換気扇などの吸い込み低下とは分けて考えます。
PanasonicのレンジフードFAQでも、吸い込みが悪い場合の確認項目として、フィルターや屋外フードの汚れだけでなく、給気不足やエアコンなどの風が挙げられています。
室内側を確認しても弱いなら排気経路へ
ダクトや屋外フードが詰まっていることがある
換気扇のフィルターはきれいで、給気も確保できている。それでも以前より明らかに吸い込みが弱い場合は、室内から見えない排気経路も確認対象になります。
換気扇が吸い込んだ空気は、本体からダクトを通り、屋外フードやベントキャップなどの排気口から外へ出ます。
この途中に汚れや異物がたまって空気が通りにくくなれば、室内側だけを掃除しても改善しません。屋外側に防虫網などがある設備では、その部分の目詰まりが排気を妨げる場合もあります。
Panasonicでは、使用しているうちにレンジフードの吸い込みが悪くなる原因として、フィルターやファンの汚れに加え、パイプフードやウェザーカバー側の障害も挙げています。
参考: Panasonic「だんだん吸い込みが悪くなってきたのはなぜですか」
ただし、屋外フードが高い位置にある住宅で、吸い込みを確認するために窓から身を乗り出したり、脚立を使って無理に点検したりするのは危険です。
室内側の清掃と給気確認で改善しないところまで分かれば、ダクトや屋外排気部を点検する判断材料になります。

ダクトの潰れや設置状態が影響する場合もある
排気経路では、汚れや詰まり以外にダクトの状態が換気能力へ影響することもあります。
ダクトが途中で潰れている、排気経路の条件によって抵抗が大きくなっているなど、空気が外へ抜けにくい状態です。
ただ、この段階になると一般家庭で原因を特定するのは難しくなります。換気扇を外したり、天井裏へ入ったりしてダクトを確認するのは避けてください。
本体の点検を考える状態
判断材料になるのは、以前と比べてどう変わったかです。
「新品のころから少し弱い気がする」という状態と、「これまでは問題なく使えていたのに、最近になって明らかに吸わなくなった」という状態では意味が違います。
以前は料理の煙を十分に吸っていたのに残るようになった、浴室の湿気が抜けるまで時間がかかるようになった。使い方を変えていないのにこうした変化があり、清掃や給気の確認でも改善しないなら、本体や排気経路の点検を考えます。
吸い込み低下と一緒に異音や振動が出ている
吸い込みだけでなく、運転中の音や振動にも変化がある場合は、その情報も切り分けに使えます。
以前にはなかった「ブーン」「カタカタ」「キーキー」といった音が出る、本体や壁へ伝わる振動が強くなった、といった変化です。
フィルターの汚れなどで負荷が増えていることもありますが、清掃後も異音や振動が続き、吸い込みも弱いのであれば、本体内部を無理に分解せず、点検を依頼しましょう。
異音については、音の種類によって確認する場所が変わります。
焦げ臭い場合は運転を続けない
吸い込みが弱くなったうえに、換気扇から焦げたような臭いがする場合は扱いが変わります。
単なる吸い込み低下として使い続けず、運転を止めてください。
焦げ臭の原因を確かめるために何度もスイッチを入れたり、本体を分解したりするのも避けます。電源プラグを抜くよう取扱説明書などで指示されている機種では、安全に操作できる範囲でその指示に従います。
焦げ臭や煙、異常な発熱などがある場合は、使用を中止し、メーカーや販売店、修理業者などへ点検を依頼しましょう。
掃除しても吸い込みが戻らないときはどこへ頼む?
賃貸住宅なら、先に管理会社や大家へ連絡します。設備として設置されている換気扇を自分で交換したり、ダクト部分へ手を加えたりする前に確認してください。
持ち家では、換気扇のメーカーや販売店、設置を行った住宅設備業者などが相談先になります。
このとき、「換気扇を交換してください」と最初から決めて依頼する必要はありません。
吸い込みが弱くなった原因が本体ではなく、ダクトや屋外排気部にあれば、本体だけ交換しても問題が残る可能性があります。**「以前より吸い込みが弱くなったので、本体と排気経路を確認してほしい」**と伝える方が、症状に合った依頼になります。
点検を頼むときに伝えること
点検を依頼するときは、「換気扇が吸わない」だけでなく、いつから、どのように変わったのかも伝えましょう。
以前は問題なく吸っていたのに最近弱くなったのか、強運転でも変わらないのか。レンジフードなら「料理中の煙が以前より残る」、浴室換気扇なら「入浴後の湿気が抜けにくくなった」など、実際に起きている変化も伝えます。
フィルターを掃除した、給気口を開けて確認したなど、すでに試したことも伝えておくと、同じ確認を最初から繰り返さずに済みます。
異音や振動も出ている場合は、運転中の様子をスマートフォンで動画に残しておきましょう。点検時に症状が再現しなくても、どんな状態だったのか確認してもらえます。
点検を頼む前に、「掃除しても変わらなかった」「給気口を開けても変わらなかった」など、すでに確認したことも一緒に伝えましょう。


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