コンセントを見ると、差込口のまわりが茶色い。
プレート表面に付いた汚れなら掃除で落とせますが、コンセント自体が茶色や黒色に変色している場合は、汚れだと決めつけて使い続けないでください。
実際に、壁コンセントの刃受金具とプラグの接触不良によって異常発熱し、焼損に至った事故も報告されています。とはいえ、茶色く見えるものがすべて発熱による変色とは限りません。
そこで手がかりになるのが、茶色や黒色になっている場所です。

プレート表面だけに汚れが付いているのか、それとも差込口そのものが変色しているのか。さらに、電源プラグやプラグの刃にも異常があれば、必要な対応は変わってきます。
とくに、差込口や電源プラグ自体の変色に加えて、黒ずみ・焦げ・溶け・変形・焦げ臭さ・ぐらつきがあるなら、そのまま使用を続けないでください。
コンセントが茶色いとき、汚れだけで済ませていい?
茶色くなっているのがプレート表面だけなら、ほこりや手あかなどが付着している可能性があります。その場合は接続している電源プラグを抜き、乾いた布でプレート表面の汚れを拭いてください。
ただし、差込口へ洗浄液やアルコールスプレーを直接吹きかけてはいけません。内部に洗浄液が入ると、ショートやトラッキングにつながるおそれがあります。
掃除の際はプラグを抜き、から拭きでほこりや汚れを取り除くのが基本です。
参考資料: 配線器具の事故|製品評価技術基盤機構(NITE)
また、表面の汚れが落ちても、それだけでコンセント内部まで正常とはいえません。差込口そのものに茶色・黒色の変色や焦げ、変形が残っているなら、掃除だけで済ませず使用を止めてください。
一方、差込口の樹脂自体が茶色や黒色に変わっている場合は、より注意が必要です。
コンセントの受け口が変色している場合、熱によって変色した可能性があります。さらに、その状態で使い続けると接触不良が進み、発熱が悪化する可能性もあるため、原因を調べたうえでコンセントの交換が必要になります。
参考資料: コンセントの受け口が変色している場合の対応|四国電気保安協会
そのため、差込口そのものが変色しているなら、そのコンセントの使用を止めて電気工事店へ相談してください。
とくに黒ずみや焦げ跡、樹脂の溶け・変形、焦げた臭いまである場合は、掃除して再使用する状態ではありません。また、プラグが以前よりぐらつく、抜けやすくなった、電源プラグ側にも変色がある場合も、そのまま使い続けないでください。
コンセントが茶色・黒色に変色する主な原因
コンセントの変色には、接触不良による異常発熱のほか、ほこりや水分によるトラッキング、接続可能な消費電力を超えた使用などが関係します。
ただし、茶色だから接触不良、黒いからトラッキングというように、色だけで原因を決めることはできません。
接触不良による異常発熱
コンセント内部には、差し込んだプラグの刃を挟む「刃受金具」があります。プラグの刃と刃受金具が正常に接触していれば問題ありませんが、変形などによって接触状態が悪くなると、接触部分で異常発熱することがあります。

実際に、壁コンセントの刃受金具の間隔が広がったことでプラグとの接触不良が生じ、異常発熱して焼損した事故が報告されています。
また、繰り返しの抜き差しや変形したプラグの使用によって刃受金具が変形すると、プラグとの接触が悪くなり、異常発熱するおそれがあります。
参考資料: 電源プラグ・電源コード・コンセントの事故|製品評価技術基盤機構(NITE)
問題なのは、こうした接触不良がコンセント内部でも起こることです。そのため、外から見える変色だけでなく、プラグを差したときのぐらつきや抜けやすさも異常を疑う手がかりになります。
差込口の変色に加えて、以前よりプラグの保持が弱くなっている、樹脂が溶けている、プラグの刃が変形しているといった異常が重なっていないかにも注意してください。
ほこりと水分によるトラッキング
もう一つ注意したいのが、コンセントとプラグの間にたまったほこりです。
ほこりに水分が加わると、プラグの刃と刃の間で火花放電が繰り返され、絶縁部分が徐々に炭化することがあります。その結果、電気の通り道ができて異常発熱し、発火へ至ることがあるのがトラッキング現象です。
とくに冷蔵庫やテレビ台の裏側などは、長期間プラグを差したままになりやすいうえ、ほこりがたまっていても気づきにくくなります。
とはいえ、黒い跡があるだけでトラッキングと断定はできません。 原因が別にある可能性もあるため、黒ずみや焦げ跡が残っているなら、自分で原因を決めて使い続けず、そのコンセントの使用を止めてください。
接続可能な消費電力を超えた使用
変色や焼損につながる要因は、接触不良やトラッキングだけではありません。
コンセントやテーブルタップなどの配線器具には、接続できる消費電力の上限があります。消費電力の大きい家電を複数つないでいた場合は、配線器具に表示された上限と、それぞれの家電に表示された消費電力を比べてください。
ただし、ここでも**「コンセントが茶色い=電気の使いすぎ」ではありません。** 接続していた家電や使い方は原因を探る材料の一つであり、それだけで変色の原因は決まりません。
なお、長期間使っているコンセントでは使用年数も点検を考える材料になります。住宅用のスイッチやコンセントでは、使用状況によって異なるものの、約10年が点検の目安とされています。
参考資料: スイッチ・コンセントの点検時期|Panasonic
ただし、この約10年は保証期間や耐用年数を示すものではありません。変色・変形・ぐらつきなどの異常があれば、使用年数よりも現在出ている症状を優先してください。

電源プラグが茶色・黒色に変色している場合
茶色や黒色になっているのが壁のコンセントではなく、家電側の電源プラグなら、変色している場所と一緒に、焦げ・変形・異常な発熱がないかにも注意してください。
とくに、樹脂部分の焦げや変形、プラグ刃の変形などがある状態で使い続けるのは避けてください。変形したプラグはコンセントの刃受金具と正常に接触できず、異常発熱や発火につながるおそれがあります。
参考資料: 変形したプラグを使用して発火|製品評価技術基盤機構(NITE)
なお、プラグの金属部分に色の変化があるというだけで、焦げや異常発熱と決めつけることはできません。 色だけではなく、焦げ・変形・溶け・異常な熱なども合わせて考える必要があります。
一方、プラグの樹脂部分やコードの付け根に焦げ・変形がある場合は、その家電を使い続けず、メーカーや販売店へ相談してください。その際は、どこが変色しているのか、焦げや変形もあるのかまで伝えると状況が伝わりやすくなります。
また、差していた壁コンセントにも変色や焦げ、溶け、変形がある、あるいはプラグを差したときにぐらつくなら、家電側だけで済ませず電気工事店にも相談してください。
変色したコンセントを使い続けていい?
プレート表面に付いた汚れではなく、コンセント自体が変色しているなら、原因が分からないまま使い続けないでください。
ここまでの判断をまとめると、次のようになります。
| 状態 | 次にすること |
|---|---|
| プレート表面にほこりや汚れが付いている | プラグを抜き、乾いた布で表面を拭く |
| 差込口自体が茶色・黒色に変色している | 使用を止め、電気工事店へ相談する |
| 黒ずみ・焦げ跡がある | 使用を止める |
| 樹脂が溶けている・変形している | 使用を止める |
| プラグがぐらつく・抜けやすい | そのコンセントを使用しない |
| 電源プラグに焦げ・変形・溶け・異常な発熱がある | その家電の使用を止め、メーカーや販売店へ相談する |
| 焦げ臭い | 使用を止める |
| 発煙・火花があり、熱くてプラグに触れない | 無理にプラグを抜かず、安全を確保してブレーカーを落とす |
とくに、発煙や火花が出ていて、プラグに触れないほど熱くなっている場合は、無理に抜こうとしないでください。
変色したコンセントは自分で掃除できる?
自分で掃除できるのは、プレート表面などに付着したほこりや汚れまでです。
掃除するときは接続しているプラグを抜き、乾いた布で表面を拭いてください。一方、差込口へ洗浄液やアルコールスプレーを直接かけたり、水分を入れたりするのは避けてください。
また、茶色や黒色になった部分を削ったり、差込口の内部へ物を入れたりする方法も適切ではありません。仮に焦げや変色した部分を削って見た目が戻っても、接触不良など内部の原因まで直るわけではないためです。
掃除できるのは表面の汚れまで。差込口や電源プラグ自体が変色しているなら、掃除で元に戻そうとせず使用を止めてください。
コンセント交換は自分でできない
壁に取り付けられたコンセント本体の交換には、電気工事士の資格が必要です。
そのため、差込口が茶色・黒色に変色している、溶けている、プラグがぐらつくといった異常がある場合は、自分で交換せず電気工事店へ相談してください。
その際は、
「差込口の右側が茶色く変色している」
「プラグを差してもぐらつく」
「差込口とプラグの刃の両方に黒い跡がある」
など、変色している場所と一緒に出ている症状まで伝えると、状況を説明しやすくなります。
一方、家電側の電源プラグに焦げ・変形・溶け・異常な発熱があるなら、その家電の使用を止めてメーカーや販売店へ相談してください。さらに壁コンセントにも異常がある場合は、家電側だけで終わらせず、電気工事店にも壁側の状態を伝えてください。
まとめ
コンセントが茶色や黒色になっていても、色だけで原因を決めることはできません。
プレート表面に付いたほこりや汚れなら、プラグを抜いて乾いた布で掃除できます。一方、差込口そのものが変色している、焦げている、溶けている、焦げ臭い、プラグがぐらつくといった状態なら、そのまま使用を続けないでください。
接触不良による異常発熱やトラッキングなど、外から見ただけでは原因を特定できない異常が隠れていることもあります。そのため、壁コンセント側に異常があれば電気工事店へ、家電の電源プラグ側に焦げ・変形・異常な発熱などがあればメーカーや販売店へ相談してください。
茶色い跡を見つけたときに大切なのは、汚れをどう落とすかだけではありません。表面に付いた汚れなのか、それともコンセントやプラグ自体が変色しているのか。そこを起点に、掃除で済む状態と使用を止める状態を分けてください。


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