家鳴りとは?夜にパキッ・ミシッと鳴る原因と見分け方を解説

家鳴りとは?夜にパキッ・ミシっと鳴る原因と見分け方

夜、家の中が静かになったころ、壁や天井のあたりから「パキッ」と一度だけ鳴る。朝方には「ミシッ」、暖房を止めてしばらくすると「コン」と聞こえる。

こうした音は、木材や建材が温度・湿度の変化によってわずかに動いたときに生じる「家鳴り」の可能性があります。

ただし、音だけで家鳴りとは判断できません。

見るべきなのは、朝夕や暖房の前後など温度変化と連動しているか、そして音と一緒にひび割れ・建具の開閉不良・雨染みなど、住宅側にも変化が出ていないかです。

目次

家鳴りとは?建材が動くときに出る音

家鳴りは、住宅を構成する木材や金属、樹脂などがわずかに動き、その際に部材同士がこすれたり、たまっていた力が解放されたりして聞こえる音です。

木造住宅だから鳴る」とは限りません。木材のほか、サッシや外装部材などでも温度変化による伸び縮みは起こります。

温度変化によって建材が伸び縮みする

昼間に日射を受けた屋根や外壁、サッシは温度が上がります。夕方になって気温が下がれば、今度は冷えていきます。

建材は温度によってわずかに膨張・収縮するため、その動きによって「パキッ」「コン」といった音が出ることがあります。

たとえば、昼間に強い西日を受けた壁や窓まわりから、日が落ちたあとに何度か音がする。この場合は、音そのものより日射が弱まり、部材の温度が下がる時間帯と重なっているかが判断材料になります。

木材は湿度によっても寸法が変わる

木材は周囲の湿度に応じて水分を吸収・放出します。

含水率が変われば木材の寸法もわずかに変化するため、柱や梁、下地、床材など木材を使った部分でも動きが生じます。

森林総合研究所の研究資料でも、温湿度環境と木材の含水率の関係や、含水率の変化に伴う木材の寸法変化が報告されています。

森林総合研究所|研究成果資料

そのため、家鳴りを単に「木が鳴っている」と考えるより、住宅を構成する部材が温度や湿度の変化を受けて動いたときに聞こえる音として捉えた方が実際の現象に近くなります。

木造住宅建築現場
木造住宅建築現場

夜・朝方・暖房の前後に家鳴りが起こりやすい理由

「夜になると家が鳴る」という場合、夜そのものが原因とは限りません。

日中から夜にかけて建材の温度が変わるため、結果として夜や朝方に音を聞くことがあります。

日が落ちたあとに鳴る

昼間に日射を受けていた外壁や屋根、サッシが、夕方以降に冷えていく。

そのタイミングで毎日のように「パキッ」「コン」と鳴るなら、日射や外気温の変化と音が連動していないかを見ます。

「深夜に鳴った」という時刻だけではなく、その前に日射を受けていた場所なのか、外気温が大きく下がった日なのかまで分かると、家鳴りとの関係を追いやすくなります。

朝方に鳴る

明け方から朝にかけても外気温は変化し、日が当たり始めれば屋根や外壁の表面温度も変わります。

毎朝ほぼ同じ時間帯に同じ場所から単発で鳴るなら、その時間帯の温度変化と重なっているかを確認します。

一方、「壁の下から聞こえたあと、今度は天井付近から鳴る」といったように音の位置が移っていく場合は、建材の伸縮とは別の原因も候補に入ります。

暖房を入れたあと・止めたあとに鳴る

外気温だけでなく、室温が大きく変わる場面も判断材料になります。

たとえば、

帰宅して暖房を入れ、しばらくするとリビングの壁から「パキッ」と鳴る。暖房を止めたあとにも、同じ場所から数回鳴る。

このように室温の変化と音が重なるなら、建材の伸縮との関係を考えやすくなります。

ただし、暖房を動かすたびに機器本体や配管から音がするなら話は別です。家鳴りではなく、設備の運転と音が連動していないかを見ます。

この音は家鳴り?「いつ鳴るか」と「家の変化」を見る

この音、家鳴り?

「パキッだから家鳴り」「コンだから配管」と、音だけで原因を決めることはできません。

いつ鳴ったのか。何と連動しているのか。同じ場所から鳴るのか。そして、家そのものに以前と違う変化が出ていないか。

この4つを組み合わせて見ます。

パキッ・ミシッ・コンでも、音だけでは家鳴りと決められない

「パキッ」「ミシッ」「コン」は、いずれも家鳴りで聞こえることがある音です。ただし、同じ擬音でも発生条件が違えば確認する原因も変わります。

聞こえ方家鳴りとの関係を見るポイント
パキッ・ミシッ・コン朝夕、日射、外気温、室温の変化と連動するか
単発または間隔を空けて鳴るほぼ同じ場所から鳴っているか
繰り返し鳴る水・設備・人の動きなど、特定の動作と連動していないか

たとえば、夕方に外気温が下がるころ、同じ壁から「コン」と一度だけ鳴るケースと、キッチンの蛇口を閉めるたびに壁の中から「コン」と響くケースでは、同じ音でも確認する場所が違います。

また、「ミシミシ」という音だけを切り取っても原因は決まりません。

雨の日だけなのか、夜になると鳴るのか、暖房の前後なのか、人が歩いたときなのか。壁から聞こえる音は、擬音より鳴る条件を含めて切り分ける方が原因に近づきやすくなります。

壁から聞こえるコンコン・ミシミシ・カリカリなどの音をまとめて切り分けたい場合は、発生時間や場所、音の動きまで含めて確認します。

関連記事:壁から音がする原因は?コンコン・ミシミシ・カリカリ音の正体と見分け方

天井から「パキッ」「パキパキ」と聞こえる場合は、発生場所を天井に絞って原因を確認できます。

関連記事:天井からパキパキ音がする原因とは?家鳴りや温度変化との関係・危険なケースを解説

家鳴りとは別の原因を考えたい音

家鳴りらしい音でも、鳴る場所が移動する、水を使うたびに鳴る、電気設備との関係が疑われるといった特徴があれば、建材の伸縮とは別の原因も考えます

音の場所が移動するなら小動物も候補

最初は壁の下側から聞こえ、しばらくすると壁の上部へ、その後は天井付近から「カサカサ」「ガリガリ」と聞こえる。

このように音の位置が移動する場合は、建材の伸縮だけでは説明しにくくなります。

特に、

  • 夜間に多い
  • カサカサ、ガリガリ、ゴソゴソなど複数の音がする
  • 壁や天井の中を移動するように聞こえる
  • 糞やかじり跡が見つかった

といった特徴が重なるなら、小動物の侵入も候補になります。

反対に、夕方や暖房の前後などに、ほぼ同じ場所から「パキッ」と単発で鳴るなら、温度変化との関係を追いやすくなります。

関連記事:夜中に天井からカリカリ・カサカサと音がする原因とは?ネズミの可能性や確認方法を詳しく解説

水を使った直後なら配管側を見る

キッチンの蛇口を閉めた直後に「コン」。

洗濯機が給水を止めるたびに、壁の中から「ドン」と響く。

このように水の流れが変わるタイミングと音が重なる場合は、家鳴りではなく配管側との関係を見ます。

特に、蛇口を閉める、洗濯機の給水が止まるなど、毎回ほぼ同じ操作の直後に鳴るなら、その連動性は大きな判断材料になります。

同じ「コン」でも、日が落ちて家が冷えていくときに一度だけ鳴るのか、蛇口を閉めるたびに鳴るのかでは、確認する原因が違います。

関連記事:水を止めると「ドンッ!」と音がするウォーターハンマー現象とは?原因・放置リスク・対策を徹底解説

ジジジ・ジリジリ音は家鳴りとは分けて考える

壁やコンセント付近から「ジジジ」「ジリジリ」と続く場合は、パキッ、ミシッといった家鳴りとは分けて考えます。

特に、焦げ臭さ、コンセントや壁の異常な熱、ブレーカーが頻繁に落ちるといった変化もある場合は、壁や配線に触れず安全を優先してください。

関連記事:壁からジジジ・ジリジリ音がする原因とは?漏電・配線異常や電気設備異常の可能性を詳しく解説

音が以前と変わったときは、住宅側の変化も見る

何年も同じ時期に同じ場所から鳴っているケースと、

昨日までは気にならなかったのに、数日前から同じ壁が何度も鳴るようになった。

というケースは分けて考えます。

見るのは、音が大きくなった、回数が増えた、鳴る場所が変わったなどの変化と、住宅側の変化が同じ時期に起きていないかです。

ひび割れや建具の開閉にも変化が出た

音が増えたころから、

  • 新しいひび割れができた
  • 以前よりひびが広がっている
  • ドアや窓が引っかかるようになった
  • 床の傾きが気になるようになった

といった変化も出ているなら、音だけを見て「家鳴りだろう」と判断するのは避けます。

たとえば、以前から冬になると同じ壁が数回ミシッと鳴るだけなら、温湿度変化との関係を追えます。

一方、最近になってミシミシ音が増え、同じ時期から窓も閉まりにくくなったのであれば、見るべきなのは音だけではありません。

関連記事:窓が閉まらない原因5つ|あと数cmで止まる・鍵がかからないなどの対処法

雨染みやカビ臭も出ている

雨の日や雨上がりに音が目立ち、

  • 壁や天井に新しいシミがある
  • 壁紙が浮いてきた
  • カビ臭さが出てきた
  • 壁や天井の一部が湿っている

といった変化もあるなら、雨水の侵入も確認対象になります。

「雨の日にミシミシ鳴る」というだけで雨漏りとは判断できません。

雨との連動に加えて、シミや湿り、壁紙の変化など、水分異常を示す痕跡があるかを見ます。

すでに雨染みや湿りが見つかっている場合は、音の原因探しより、雨水が入り込んでいないかの確認を優先します。

関連記事:雨漏りでシミができる原因とは?天井・壁の茶色いシミや放置リスクを詳しく解説

雨染み
雨染み

地震後から音の出方が変わった

地震のあとから、それまで聞かなかった場所で音がするようになった場合も、以前からある家鳴りと同じとは限りません。

新しいひび割れ、建具の開閉不良、傾き、外壁や基礎の損傷など、地震前にはなかった変化が同時に出ていないかを確認します。

国土交通省でも、木造住宅の地震後の安全確認では、住宅の傾きや内壁・外壁の損傷などを確認項目としています。

国土交通省|木造住宅の地震後の安全チェック

家鳴りか判断できないときは、音の出方を記録する

壁や天井を開けて調べるのではなく、次に鳴ったときの条件を残しておきます。

記録すること具体例
パキッ、ミシッ、コン
時間22時ごろ、明け方5時ごろ
場所リビングの壁上部、天井付近
直前の状況日が落ちた、暖房を止めた、蛇口を閉めた
続き方1回だけ、数分おき、しばらく続く
音の位置同じ場所、少しずつ移動する
住宅の変化ひび、雨染み、建具の開閉など

たとえば、

暖房を止めて30分ほどすると、リビングの同じ壁から1~2回ミシッと鳴る。雨染みや建具の変化はない。

ここまで分かれば、単に「夜中にミシミシ鳴る」という状態より、温度変化との関係を追いやすくなります。

反対に、

数日前から音が急に増え、同じころから窓も閉まりにくくなった。

なら、住宅側の変化も含めて確認する材料になります。

スマートフォンで録音できる場合は音も残しておきます。数日記録しても発生条件が分からない、以前より音が増えている、住宅側にも変化がある場合は、記録した内容と録音を点検先へ伝えると状況を説明しやすくなります。

まとめ

家鳴りかどうかは、「パキッ」「ミシッ」といった音だけでは判断できません。いつ鳴るか、何と連動するか、同じ場所か、以前と音の出方が変わっていないかまで見ると切り分けやすくなります。

音が急に増えた時期と、ひび割れ、建具の開閉不良、傾き、雨染みなどが出始めた時期が重なるなら、家鳴りだけの問題と考えず、住宅側の変化も確認します。

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