浴槽へゆっくり足を入れた瞬間、
「ミシ…」
腰を下ろして体重をかけると、
「ミシミシ」
お湯につかっている間は気にならなくても、立ち上がるとまた同じ音が聞こえる。
毎日聞いていると、
「浴槽が壊れそう。」
「床が抜ける前兆では?」
と不安になる方も少なくありません。
実際、浴槽のミシミシ音はパキパキ音とは原因が異なることが多い異音です。
パキパキ音が浴槽の素材や温度変化によることが多いのに対し、ミシミシ音は浴槽へ体重やお湯の重さが加わったときに発生するケースが多く見られます。
もちろん、すべてが故障というわけではありません。
しかし、音の出方によっては浴槽を支える部分や床下の状態を確認した方がよいケースもあります。
まずは、ご自宅ではどのような場面でミシミシ音がするのか確認してみましょう。

こんなミシミシ音はありませんか?
ミシミシ音は、鳴るタイミングによって原因をある程度絞ることができます。
まずは、ご自宅の症状に近いものがないか確認してみましょう。
浴槽へ入った瞬間にミシミシ鳴る
最も多いのがこのケースです。
浴槽へ片足を入れ、体重をかけた瞬間に
「ミシ…」
さらに腰を下ろすと
「ミシミシ」
と音がすることがあります。
このような場合は、浴槽本体だけではなく、浴槽を支える架台や固定部分へ荷重が加わっている可能性があります。
浴槽の中で身体を動かすと鳴る
お湯につかって足を伸ばしたり、身体の向きを変えたりするたびに音がすることがあります。
また、小さなお子さんが浴槽の中ではしゃぐたびにミシミシ鳴るというご家庭もあります。
体重のかかる位置が変わることで、浴槽や支えている部材へ加わる力も変化し、その動きが音となって現れることがあります。
浴槽から立ち上がると鳴る
入浴するときではなく、立ち上がった瞬間だけ音がすることもあります。
浴槽へかかっていた荷重が抜けることで、支えている部材が元の位置へ戻ろうとし、その動きがミシミシ音として聞こえるケースがあります。
掃除で浴槽へ入ると鳴る
浴槽を洗うために中へ入ったときだけ音がすることもあります。
この場合は、お湯の温度よりも人の体重が大きく影響している可能性があります。
家族の中でも特定の人だけ鳴る
「子どもでは鳴らないのに、大人が入ると鳴る。」
「体格の大きい人だけ音がする。」
このようなケースでは、荷重の違いが関係していることがあります。
浴槽や支えている部分へ加わる力が一定以上になると音が発生するため、体重によって症状が変わることもあります。
築年数とともに音が増えてきた
新築の頃は気にならなかったのに、
築15年、20年と年数が経つにつれて少しずつ音が増えてきた。
このようなケースでは、浴槽だけではなく、支持部材や固定部分などが経年によって少しずつ変化している可能性も考えられます。


ミシミシ音は何が原因なのでしょうか?
ミシミシ音は、浴槽へ**「荷重がかかった瞬間」**に発生することが多い異音です。
浴槽には、
・お湯の重さ
・入浴している人の体重
・身体を動かしたときの力
が加わります。
例えば180Lのお湯を張った場合、お湯だけでも約180kgになります。
そこへ大人一人が入浴すると、浴槽にはさらに大きな荷重が加わります。
もちろん、浴槽はこの重さを支えられるように設計されています。
しかし、荷重が加わることで、
浴槽本体、
浴槽を支える架台、
固定部分、
周囲の部材などがほんのわずかに動き、
その動きが
「ミシミシ」
という音になることがあります。
ここで重要なのは、
ミシミシ音は「体重や荷重が加わったとき」に発生しやすい
という点です。
パキパキ音のように、お湯を張るだけで鳴るケースとは原因が異なることが多いです。


浴槽を支える部分が影響していることもあります
浴槽は床へ直接置かれているように見えますが、実際には浴槽の種類に合わせた架台や支持部材でしっかり支えられています。
そのため、入浴したときの体重やお湯の重さは、浴槽だけで受け止めているわけではありません。
荷重は、
- 浴槽本体
- 支持部材
- 固定部分
- 床
へ分散される構造になっています。
しかし、築年数の経過や長年の使用によって、それぞれの部材には少しずつ変化が生じます。
その結果、荷重が加わった瞬間にわずかな動きが発生し、
「ミシミシ」
という音になることがあります。
音がするからといって、すぐに浴槽が壊れるわけではありませんが、以前より音が大きくなったり、浴槽が動くような感覚を伴ったりする場合は、一度状態を確認した方が安心です。
FRP浴槽はミシミシ音がしやすいのでしょうか?
FRP浴槽は現在もっとも普及している浴槽です。
軽量で丈夫な素材ですが、適度なしなりも持っています。
そのため、体重がかかったときにごくわずかにたわみ、その動きが支持部材へ伝わることでミシミシ音が発生することがあります。
もちろん、通常の使用で浴槽が壊れる心配はほとんどありません。
しかし、
- 入浴するたびに音が大きくなっている
- 浴槽が沈むように感じる
- グラつきもある
という場合は、素材だけではなく支えている部分にも目を向ける必要があります。
人工大理石浴槽でもミシミシ音はします
人工大理石浴槽はFRP浴槽より硬いイメージを持たれることがあります。
しかし、人工大理石浴槽でも荷重によるミシミシ音は発生します。
特に、
体重をかけた瞬間だけ鳴る。
立ち上がる瞬間だけ鳴る。
という場合は、浴槽の素材そのものよりも、荷重を受ける構造が関係していることもあります。
そのため、
FRPだから鳴る、人工大理石だから鳴らない
という単純なものではありません。
ミシミシ音が大きくなった場合は注意が必要
毎日使っていると、少しずつ音の変化には気付きにくいものです。
しかし、
以前は小さく一回だけだった音が、
- ミシミシと何度も続くようになった
- 家族が気付くほど大きくなった
- 入浴するたびに必ず鳴る
というように変化している場合は注意が必要です。
住宅設備は、突然壊れるよりも、少しずつ変化しながら症状が現れることが多くあります。
そのため、
「音がすること」よりも「音が変わったこと」
を一つの目安として考えるとよいでしょう。
修理を依頼する前に確認しておきたいポイント
ミシミシ音が気になる場合は、次の点を確認してみましょう。
入浴時だけ鳴りますか?
体重がかかった瞬間だけ鳴る場合は、荷重との関係が考えられます。
一方、お湯を張るだけで鳴る場合は、パキパキ音の記事で紹介したように温度変化が関係している可能性があります。
浴槽はグラつきませんか?
浴槽へゆっくり体重をかけたときに、
- グラつく
- 沈むような感覚がある
- 片側だけ大きく動く
という場合は、一度確認した方が安心です。
※無理に揺すったり、大きな力を加えたりする必要はありません。
家族全員で同じように鳴りますか?
大人だけ鳴る。
体格の大きい人だけ鳴る。
このような場合は、荷重が関係している可能性があります。
一方、誰が入っても同じように鳴る場合は、別の原因も考えられます。
水漏れはありませんか?
次のような症状も確認しましょう。
- 浴槽にヒビがある
- エプロン内部が濡れている
- 点検口に水がある
- 階下へシミがある
このような症状がある場合は、音だけではなく漏水への対応を優先してください。

業者への相談を検討した方がよい症状
ミシミシ音だけであれば、すぐに修理が必要とは限りません。
しかし、次のような症状がある場合は、一度点検を検討すると安心です。
浴槽が明らかに動く
体重をかけるたびに浴槽が沈むように感じたり、左右へ動くような感覚があったりする場合は、支えている部分の状態を確認した方がよいでしょう。
音が年々大きくなっている
築年数とともにミシミシ音が増えている場合は、支持部材や固定部分にも変化が生じている可能性があります。
水漏れやヒビを伴っている
ミシミシ音に加えて、
- ヒビ
- 漏水
- エプロン内部の水たまり
- 階下のシミ
などが見られる場合は、早めに原因を確認することをおすすめします。

まとめ
浴槽のミシミシ音は、お湯や人の体重による荷重が加わったときに発生することが多い異音です。
そのため、
- 入浴時だけ鳴る
- 身体を動かすと鳴る
- 掃除で浴槽へ入ると鳴る
という症状では、浴槽を支える構造が関係していることがあります。
一方で、
音が以前より大きくなったり、
浴槽がグラついたり、
水漏れなど別の症状を伴ったりする場合は、素材だけでなく支持部材や配管なども含めて確認した方が安心です。
「ミシミシ音がする」という事実だけではなく、「どのような場面で鳴るのか」「以前と比べて何が変わったのか」を確認することが、原因を見極める第一歩になります。
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